今の会社に戻ってきて、約15年になろうとしています。
5年周期で物事を考えても、
戻ってきたばかりの頃は、今までのコンサルタントという設計の仕事でやってきた感覚と、建設業というモノを造り上げる現場感覚の違いが当然ながらもあって、その適応に苦労しました。
最初から専務という肩書きがついていたこともあり、従業員の皆さんが出来ないことや苦手とすることをサポートするようにしようと考え、無我夢中で目先の仕事に対応していたことが思い出されます。
この頃は公共工事が仕事の中心で、春先が暇でも夏以降の公共工事で挽回すれば良いといった、公共工事だけでも仕事が回っていた時代でした。
10年前。
仕事の方は、労務単価が大幅に安くなってより厳しい状況になっていましたが、花巻地域は下水道工事が盛んで、こうした仕事に自社対応出来るようにしていったことで仕事の確保が出来ていました。
戻ってから5年の間に様々な資格を取得しながら自分自身の基盤を作って、良い出会いの中で結婚もし、青年会議所などにも入会しながら社会活動にも関心を持つようになりました。
最初に幅広い資格を取得していたことが、施工会社としての特色を活かし仕事の範囲を拡げていくベースになりました。
5年前には、会社の社長になっていました。
今まで培ってきていた会社の施工能力に加えて、現場監理も大切に考え、その両輪を磨くように意識していたように想います。
仕事も、新しく始まっていた浄化槽工事や維持管理工事などの公共工事に加えて、トイレの水洗化などの民間リフォーム工事にも幅を拡げ始めていました。
この頃は、設備的な専門工事は外注に頼る部分もあって、まだ自社だけの力とは言えない不十分な部分もありました。
その頃から、今のトータルリフォームのように、建築や設備の維持管理も含めてなるべく自社で対応できる体制を整えたいと考えるようになっていました。
お客様にとっては、モノを造る時だけではなくて、その後の維持管理や何かあった時の即座の対応も求めるものだと考えていたからです。
外注頼みではどうしても即座な対応が出来ない場合もありますが、自社社員であれば優先的に対応させることが出来るからです。
そして、現在。
自社で対応可能な仕事の範囲が、本当に広くなってきました。公共工事や民間工事の様々な仕事に対応出来るようになり、大工や設備工などの技術を持った社員の皆さんも増えてきました。
土木関係,建築関係,設備関係などを信頼して任せられる社員の皆さんがいるお陰様で、仕事の後のアフターや、何か要望があっても即座な対応なども可能になってきました。
もっとそれぞれの部門を強くしていきながら、技術の継承や経験,資格取得などで社員を育て、緊急時対応の事も考えて自社機械,車両,道具,器具などを有し、地域のニーズに応え信頼に応える確かな仕事を重ねることで、地域から真に必要とされる会社であり続けたい。
しかしながら、建設業を取り巻く環境はより厳しさを増していて、価格競争だけに捕われて効率的な会社を目指していては、こうした会社のあるべき姿とは逆に進まざるを得ませんし、自社としての強みをもっと高めていく必要性があります。
これから先、建設業も新しく造ることよりも維持管理が増えてきます。
私たちには、社会環境や世の中の大きな流れを変える力はありませんが、時代の変化と共に必要とされる仕事に対応していくことは出来るのだと思います。
決して効率は良くないかもしれませんが、個人の強みとなる技術を核に 、様々な仕事の機会を通して仕事の幅を拡げ、時代のニーズに応じた仕事に対応できる体制を構築していくこと。
最初は必ず苦労を伴うのですが、そうした苦労はいつか自分たちの実になり、自分たちの生活を支える大切な糧にもなっていきます。
こうした向上心を大切にしながら、これからも社会のニーズに対応した技術の幅を拡げ、信頼して仕事を任せて頂けるような会社であり続ける必要があります。
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