先週末に陸前高田に入っていましたので、その活動報告及び私見を記載させて頂きます。
主に高田一中と長部地区しか見ることが出来ていないからですが、震災発生後2週間が過ぎて、各避難所の状況は安定化している地域(長部地区)と、状況が悪化している地域(高田一中)に分かれ始めており、食料については、野菜や生鮮食品等の不足が顕著になっています。
長引く避難所生活でのストレスに加えて、システム的な問題もあるように感じるのですが、状況が悪化している所は、災害当初から行政が入ることが出来なかったため、やむを得ずボランティア組織で自治会を作り、全てを自分達で運営しボランティアだけに頼る組織のあり方となっております。
震災でこれだけ多くの行政の方が亡くなってしまう状況は、本当に想定外だったようです。
そして今、震災後2週間を経て、中心だった人達がボランティアだけをやっている訳にはいかない状況になっています。
長部地区の自主防災組織のように年配者が中心になっていれば良いのですが、高田一中では若い人達も組織の中核になっており、自治会長も自分の仕事もあるために組織の縮小と再編をしなければならないようです。
これは、避難所のシステムが安定化しているとも捉えることができるのかもしれませんが、現実的にはやむを得ずといったところです。
また、被害が少ない地域は良いのですが、被害が甚大な地域では亡くなった方も多く、避難所のみの支援しか行われていない状況で、家に戻っている人達の生活の把握が実施されず、自宅に戻った方々の生活が著しく悪化している話も聞こえてきます。
こうした状況を早期に解決したくても、頼りになる区長さんや地元民政委員の方々も亡くなったり、家や家族を失った状況下にあって、力を無くしてしまっている方もいらっしゃいます。
社会福祉協議会にしても、福井社協や全国,岩手県の社協が支援に入って、県立大学のボランティアサークルが、本当に頑張ってくれています。
ただ、地元に根差した人達ではないことや、人手的にも足りないために、自分達が考えている活動をやりたくても出来ない状況にあり、様々な対応に遅れが生じたりする場合もあります。
行政は、まさに不眠不休な状態らしく、本当にギリギリの中で仕事をされており、全体的にシステムを構築したり、改善していく余裕が明らかに無くなってしまっています。
私自身の活動は、身内を亡くしたにも関わらず震災当初から頑張っている陸前高田青年会議所メンバーの2名を支援しつつ、ブロックとのパイプ役になるために、社会福祉協議会のVC(ボランティアセンター)
関係のお手伝いをしてきました。
そうした事に加えて、建設業協会の関係もあって、陸前高田支部のサポートも出来れば良いと考えて情報交換などをさせて頂いておりました。
このような大震災であるにも関わらず、ボランティアの要請数は非常に少ない状況です。
介護関係などの専門を除いた場合、一般のボランティアで求められているのは1日に10名にも満たないため、各避難所を周りながら、逆にボランティアニーズを聞いているような状況でした。
地域的にも自分達の事は自分達で出来る限りやろう! そんな意識が強いようにも感じていますし、料理を作るにしても逆に外部の人がいない方が、気を遣わなくて良い。そんな、外部に入って欲しくない場合もあるようです。
こうした状況もあり、しっかりと長期的に高田の復興のために力を尽くしてくれるボランティアの人がいれば、ネットワークや信頼関係を構築することもできて、また違った人的支援が出来るように思います。
決してニーズがない訳はないのですが、自分達で出来る限りのことをやろう!そんな前向きな強い気持ちを感じることも多々ありました。
携帯がつながらない被災地域も多いため、日々変化するニーズをVCでも把握しきれておらず、昨日必要と言われたにも関わらず今日になったらいらないという場合もあって、避難所との電話によるネットワークの構築が必要だと考え一部で実行してきました。
ニーズとしては、お風呂や燃料といったものがあるのですが、お風呂を提供するための水が不足し電気も通っていない地域があるため、簡単に解決できなことも多いです。
ただ、いろんな支援の話があるので、上手くマッチングさせていけば、今の状況をより良くしていくことも出来るという、可能性も感じさせて頂きました。
結びになりますが、
従来のシステムとは違う公的なお金を注入した、安定的に必要とされる支援物資の配布が必要です。
必要とされる組織の再編を早急に実施し、地域に仕事を創出しながら生活再建を果たしていく内発型の復興を果たしていって欲しいと心から願っております
注) 私の所見で記載させて頂いておりますので、あくまでも一つの情報として捉えて頂ければ幸いです。
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